2005年 07月 29日
2002年石井絋基議員殺害から2005年郵政民営化までのなだらかな一本道
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RE: 【611F駅通り殺傷事件:その後――我々はノーリターンポイントを越えたのだろうか?】
石井議員刺殺犯として事件の翌日,これ見よがしにバンダナを巻いて警察に出頭した伊藤泉容疑者の控訴審は2005年6月30日に結審した.判決は一審の無期懲役を支持し控訴棄却である.事件発生から3年を経過して事件は一見落着したかのように見える.しかし,法廷では事件の深層はまったく解明されることなく,黒い闇に覆われた水底には渦巻く疑念が凝固して沈殿している.その日救急車はパトカーより20分も遅れて現場に到着した.救急車は石井邸前の路上を占拠したパトカーを排除しながらようやくにも発進したが,氏は病院への搬送途上ついに多量の失血のため絶命された.立ち会った医師の談に寄れば,病院に収容されたときには,血液はすでに完全に流出して心房には一滴の血液も残っていなかった.
遺品として残された63箱(70箱とも)のダンボールは後日,民主党所属の有志らによって厳粛に開封され,口々に「先生のお志を継ぐ」旨の決意が述べられたが,郵政民営化の採択が国会議場に差し迫った今日という日に臨んで,誰がどこまでそれを字義通り引き継いでおられるのか問うてみたい.
私は昨日JRでF駅から片道820円という距離にある旧大宮市のNTT大宮支社まで出向いた.用件は料金滞納という事由で利用停止から一方的な契約解除通告を受けるに至った回線の再接続交渉である.NTTは回線停止のときには電光石火で切断してくるが,再接続するためには,往復1640円の遠距離まで「お客さま」自ら出向かなくてはならないのである.しかも,この交渉が分かり易い子どものお使いのようなものであるとは考えてならない!もし,読者自身でこれを試みられるなら,不条理なカフカの世界にいつの間にか迷い込んでいることに気付かれるであろう.
実際のところ新宿経由東海道線小田原行快速電車最後尾車両の4人掛けシートに腰を下ろしたときの私の心境は,ほとんど東映任侠映画のクライマックスでドスを呑んで敵地に単身乗り込んでゆくあの高倉健になりきっていた.NTT大宮支社ビルは国道17号に面して一応看板は出ているが,外部から見たときにはほとんど営業しているように見えない.私はもっと別の建物があるのだと思ってさらに数百米進んで戻ってきた.その通りの並びにあるタクシー営業所の運転手に訊ねてもその位置を知らなかったくらいである.以前は窓もエントランスもあったのだろうが,現在は不細工なコンクリートの頑丈な盲板で完全に覆われて,入り口は背後にしかない.もちろんIDカードを持たなければ,何人も建物に立ち入ることさえできない.ほとんどマフィアの要塞であり,カービン銃を持った男が周囲を警護していてもおかしくない雰囲気である.
私はこの私の先日のマフィア都市大宮の暑い一日を振り返って,その経験を尺度に石井先生がこの63箱のダンボールに詰まった資料を集めるまでのご苦労を推測してみた.百倍,千倍,一万倍?いやいやむしろ率直に「比較にならない」と申すべきである.もちろん,議員の国政調査権は私たち一般市民の持たない強力な武器ではあるが,実効的にそれを行使することと,それが条文で保障されていることとにはほとんど無限に近い乖離がある.靴をすり減らして担当部門を繰り返し訪れ,条理を尽くして説得し,ときに恫喝し,時には情に訴え...それをたった一人でほぼ完璧に近いレベルまでやり抜かれたのである.もちろん尋常ではない.超人的という形容があるとすれば,それをここで使わずしてどこで使う機会があるだろう.
膨大な資料を寄せ集めただけでは道はまだ半ばである.それを解析し,もつれきった糸をほぐす作業はさらに,さらにさらに困難なものであったことは想像に難くない.先生はそれを使命感とお呼び申し上げるしかないある崇高な精神の最上の水準において最後まで遂行された.ここに先生が遺された遺言とも言うべき「構造改革のための25のプログラム」がある.これを一読されれば,なぜ先生が今日に先立つことわずか3年という時点で殺害されなくてはならなかったかということが明瞭に看取されよう.なぜなら,ここまでに行われてきた小泉構造改革はすべての項目において,この石井改革プログラムを転倒した完全な「逆プログラム」であるからである.小泉総理は「自民党を壊す」と言ったかもしれないが,彼が実際に行ったのは「日本を壊す」ことであった.
NTT民営化によってサービスが向上したなどとは口が裂けても言えないことは万人の目に明らかである.端的に言ってしまえば,NTTの民営化によって起きたことは,この国のその年の新卒者の中でももっとも優秀な人材ばかりを選りすぐって上から400人以上毎年採用してきたかつての「品格ある」電電公社の私物化であり,マフィア化である.最新の数字は手元にないが,仮にNTT全体の年商を3兆円としよう.郵貯の預金総額はその100倍くらいはあるのではないか?すなわち300兆円である.さまざまな錬金術的テクニックを駆使すれば,この金額をさらに何倍にも膨張させることすら可能だろう.この数字を見れば「郵政民営化」という企てがどれほどおそるべき陰謀であり,そうであるがゆえにどれほど周到に用意されなくてはならなかったかが想像できるはずだ.今や「日本が自滅する日」は目前にある.
◆今日の演習問題:以下のプログラムの各項目につき,例にならって,→「実のところ」に続く短文をまとめ,空欄に記入せよ.25項目のうち半数以上の正解者は阿修羅初級と認定され,阿修羅雑談板での制約のない発言を許可されよう.
回答例:
プログラム一 既得権益と闘う国民政権をつくる→実のところ〔既得権益の形態を変えて一層国民から見え難いところにそれらを移動・隔離し,さらにそれを丸ごと外国の支配にゆだねる売国政権を取り返しの付かない水準で確立した〕
《構造改革のための25のプログラム》
【官企業の全廃がもたらす経済の覚醒】
プログラム一 既得権益と闘う国民政権をつくる→実のところ〔....〕
プログラム二 すべての特殊法人廃止を急ぐ→実のところ〔.....〕
プログラム三 高速道の建設を凍結する→実のところ〔.....〕
プログラム四 日本道路公団の借金は20年で償却する→実のところ〔.....〕
プログラム五 公団のファミリー企業から資産を回収する→実のところ〔....〕
プログラム六 都市基盤整備公団などは、民営化でなく解体する→実のところ〔〕
プログラム七 住宅ローン証券化で公庫を保証機関にする→実のところ〔...〕
プログラム八 政府系の公益法人と認可法人を即時廃止する→実のところ〔.〕
プログラム九 地方公社と第三セクターを清算・整理する→実のところ〔....〕
プログラム十 真の公益法人を支える税制をつくる→実のところ〔.....〕
プログラム十一 200万人が失職するが600万人の職が生まれる→実のところ?
【権力の市場からの退却】
プログラム十二 特別会計、財投、補助金を原則廃止する→実のところ〔..〕
プログラム十三 「開発」「整備」「事業」法を撤廃する→実のところ〔...〕
プログラム十四 公共事業長期計画を廃止する→実のところ〔.....〕
プログラム十五 新しい民間の公共事業勃興策を打ち出す→実のところ〔..〕
プログラム十六 ゛政治農業"をやめ、産む農業をとりもどす→実のところ〔..〕
プログラム十七 徹底した地方分権を断行する→実のところ〔.....〕
【国家予算の半減】
プログラム十八 5年で予算規模を二分の一に縮小する→実のところ〔.....〕
プログラム十九 国債の新規発行をゼロにする→実のところ〔.....〕
プログラム二〇 中高年100万人のボランタリー公務員制度創出→実のところ?
プログラム二一 20兆円を社会保障、10兆円を環境保全に追加→実のところ?
プログラム二二 大規模減税を実現する→実のところ〔.....〕
【品格ある「公務」の復活】
プログラム二三 「公務分限法」を制定する→実のところ〔.....〕
プログラム二四 行政監視を徹底し、会計検査院を強化する→実のところ〔..〕
プログラム二五 天下り禁止法を急いで定める→実のところ〔.....〕
石井絋基著「日本が自滅する日」PHP研究所刊より抜粋
参照: http://www014.upp.so-net.ne.jp/ISHIIKOKI/
PS:その前日(一昨日)隣接するM町の小さな信用金庫に短銃を持った2人組の強盗が押し入るという事件が発生した.詳細は詳らかではないが,女子行員をかばうため犯人と女子行員の間に割って入った男子行員が,勇敢にも犯人と格闘して犯人の手からピストルをもぎ取ったため,2人組は何も取らずに現場から逃走した.この勇気ある男子行員は凶漢が発射した銃弾によって重傷を負い,病院に収容された模様である.(負傷者は複数と聞く.)単純な事犯であり,遺留品から指紋が検出されれば,地元のチンピラと推定される(おそらく前科のある)犯人を割り出すことは難しくないと考えられるのだが,再び,警察の「捜査能力」と「順法意識」が問われている.犯人はまだ逮捕されていない.
以下は私のやや不謹慎な妄想である:この男子行員は中年を過ぎても窓口に立っているような出世街道から外れた,行内でもあまりパッとしない存在だったかもしれない.一方庇われた女子行員は応対はハキハキとして気持ちよく,銀行の花のような存在だったとしてみよう.この2人の席は隣合っていたが,仕事を離れて個人的に話をしたことはまったくない.私はこの行員が中年であると勝手に決めているのだが,その中年男の報われない恋・ほのかな憧れという図式が私の頭の中にある.この想像はそれほど現実離れしたシチュエーションではないと思うのだが,(そのような仮設の上で)私にはこの中年行員の無謀とも言うべき行動がもっともストレートに理解できるような気がするのだ.
しかしそのような仮設を離れて,一般的に次のように問うこともできるだろう.「このようなとっさのとき,あなたはそれが誰であれ誰かのために自分の命を投げ出すことができるだろうか?」と.とっさの事態であるから,もしも今あなたが,確信を持ってあるいはためらいながら「できる」と答えることができたとしても,それはそのときのあなたの行動を保証するものではない.ここに至って私は我が町の隣町をうらやみ,おそらくはその地域の経済活動に意義ある貢献を果たしてきた小金融機関の無名男子行員の前に黙して脱帽するのみである.
初出: http://www.asyura2.com/0505/idletalk14/msg/212.html
投稿者 馬場英治 日時 2005 年 7 月 29 日 19:51:34: dcAX/x0KhXeNE
(回答先: 611F駅通り殺傷事件:その後 投稿者 馬場英治 日時 2005 年 7 月 26 日)
←脱米自立まで,ワンクリック!
石井議員刺殺犯として事件の翌日,これ見よがしにバンダナを巻いて警察に出頭した伊藤泉容疑者の控訴審は2005年6月30日に結審した.判決は一審の無期懲役を支持し控訴棄却である.事件発生から3年を経過して事件は一見落着したかのように見える.しかし,法廷では事件の深層はまったく解明されることなく,黒い闇に覆われた水底には渦巻く疑念が凝固して沈殿している.その日救急車はパトカーより20分も遅れて現場に到着した.救急車は石井邸前の路上を占拠したパトカーを排除しながらようやくにも発進したが,氏は病院への搬送途上ついに多量の失血のため絶命された.立ち会った医師の談に寄れば,病院に収容されたときには,血液はすでに完全に流出して心房には一滴の血液も残っていなかった.
遺品として残された63箱(70箱とも)のダンボールは後日,民主党所属の有志らによって厳粛に開封され,口々に「先生のお志を継ぐ」旨の決意が述べられたが,郵政民営化の採択が国会議場に差し迫った今日という日に臨んで,誰がどこまでそれを字義通り引き継いでおられるのか問うてみたい.
私は昨日JRでF駅から片道820円という距離にある旧大宮市のNTT大宮支社まで出向いた.用件は料金滞納という事由で利用停止から一方的な契約解除通告を受けるに至った回線の再接続交渉である.NTTは回線停止のときには電光石火で切断してくるが,再接続するためには,往復1640円の遠距離まで「お客さま」自ら出向かなくてはならないのである.しかも,この交渉が分かり易い子どものお使いのようなものであるとは考えてならない!もし,読者自身でこれを試みられるなら,不条理なカフカの世界にいつの間にか迷い込んでいることに気付かれるであろう.
実際のところ新宿経由東海道線小田原行快速電車最後尾車両の4人掛けシートに腰を下ろしたときの私の心境は,ほとんど東映任侠映画のクライマックスでドスを呑んで敵地に単身乗り込んでゆくあの高倉健になりきっていた.NTT大宮支社ビルは国道17号に面して一応看板は出ているが,外部から見たときにはほとんど営業しているように見えない.私はもっと別の建物があるのだと思ってさらに数百米進んで戻ってきた.その通りの並びにあるタクシー営業所の運転手に訊ねてもその位置を知らなかったくらいである.以前は窓もエントランスもあったのだろうが,現在は不細工なコンクリートの頑丈な盲板で完全に覆われて,入り口は背後にしかない.もちろんIDカードを持たなければ,何人も建物に立ち入ることさえできない.ほとんどマフィアの要塞であり,カービン銃を持った男が周囲を警護していてもおかしくない雰囲気である.
私はこの私の先日のマフィア都市大宮の暑い一日を振り返って,その経験を尺度に石井先生がこの63箱のダンボールに詰まった資料を集めるまでのご苦労を推測してみた.百倍,千倍,一万倍?いやいやむしろ率直に「比較にならない」と申すべきである.もちろん,議員の国政調査権は私たち一般市民の持たない強力な武器ではあるが,実効的にそれを行使することと,それが条文で保障されていることとにはほとんど無限に近い乖離がある.靴をすり減らして担当部門を繰り返し訪れ,条理を尽くして説得し,ときに恫喝し,時には情に訴え...それをたった一人でほぼ完璧に近いレベルまでやり抜かれたのである.もちろん尋常ではない.超人的という形容があるとすれば,それをここで使わずしてどこで使う機会があるだろう.
膨大な資料を寄せ集めただけでは道はまだ半ばである.それを解析し,もつれきった糸をほぐす作業はさらに,さらにさらに困難なものであったことは想像に難くない.先生はそれを使命感とお呼び申し上げるしかないある崇高な精神の最上の水準において最後まで遂行された.ここに先生が遺された遺言とも言うべき「構造改革のための25のプログラム」がある.これを一読されれば,なぜ先生が今日に先立つことわずか3年という時点で殺害されなくてはならなかったかということが明瞭に看取されよう.なぜなら,ここまでに行われてきた小泉構造改革はすべての項目において,この石井改革プログラムを転倒した完全な「逆プログラム」であるからである.小泉総理は「自民党を壊す」と言ったかもしれないが,彼が実際に行ったのは「日本を壊す」ことであった.
NTT民営化によってサービスが向上したなどとは口が裂けても言えないことは万人の目に明らかである.端的に言ってしまえば,NTTの民営化によって起きたことは,この国のその年の新卒者の中でももっとも優秀な人材ばかりを選りすぐって上から400人以上毎年採用してきたかつての「品格ある」電電公社の私物化であり,マフィア化である.最新の数字は手元にないが,仮にNTT全体の年商を3兆円としよう.郵貯の預金総額はその100倍くらいはあるのではないか?すなわち300兆円である.さまざまな錬金術的テクニックを駆使すれば,この金額をさらに何倍にも膨張させることすら可能だろう.この数字を見れば「郵政民営化」という企てがどれほどおそるべき陰謀であり,そうであるがゆえにどれほど周到に用意されなくてはならなかったかが想像できるはずだ.今や「日本が自滅する日」は目前にある.
◆今日の演習問題:以下のプログラムの各項目につき,例にならって,→「実のところ」に続く短文をまとめ,空欄に記入せよ.25項目のうち半数以上の正解者は阿修羅初級と認定され,阿修羅雑談板での制約のない発言を許可されよう.
回答例:
プログラム一 既得権益と闘う国民政権をつくる→実のところ〔既得権益の形態を変えて一層国民から見え難いところにそれらを移動・隔離し,さらにそれを丸ごと外国の支配にゆだねる売国政権を取り返しの付かない水準で確立した〕
《構造改革のための25のプログラム》
【官企業の全廃がもたらす経済の覚醒】
プログラム一 既得権益と闘う国民政権をつくる→実のところ〔....〕
プログラム二 すべての特殊法人廃止を急ぐ→実のところ〔.....〕
プログラム三 高速道の建設を凍結する→実のところ〔.....〕
プログラム四 日本道路公団の借金は20年で償却する→実のところ〔.....〕
プログラム五 公団のファミリー企業から資産を回収する→実のところ〔....〕
プログラム六 都市基盤整備公団などは、民営化でなく解体する→実のところ〔〕
プログラム七 住宅ローン証券化で公庫を保証機関にする→実のところ〔...〕
プログラム八 政府系の公益法人と認可法人を即時廃止する→実のところ〔.〕
プログラム九 地方公社と第三セクターを清算・整理する→実のところ〔....〕
プログラム十 真の公益法人を支える税制をつくる→実のところ〔.....〕
プログラム十一 200万人が失職するが600万人の職が生まれる→実のところ?
【権力の市場からの退却】
プログラム十二 特別会計、財投、補助金を原則廃止する→実のところ〔..〕
プログラム十三 「開発」「整備」「事業」法を撤廃する→実のところ〔...〕
プログラム十四 公共事業長期計画を廃止する→実のところ〔.....〕
プログラム十五 新しい民間の公共事業勃興策を打ち出す→実のところ〔..〕
プログラム十六 ゛政治農業"をやめ、産む農業をとりもどす→実のところ〔..〕
プログラム十七 徹底した地方分権を断行する→実のところ〔.....〕
【国家予算の半減】
プログラム十八 5年で予算規模を二分の一に縮小する→実のところ〔.....〕
プログラム十九 国債の新規発行をゼロにする→実のところ〔.....〕
プログラム二〇 中高年100万人のボランタリー公務員制度創出→実のところ?
プログラム二一 20兆円を社会保障、10兆円を環境保全に追加→実のところ?
プログラム二二 大規模減税を実現する→実のところ〔.....〕
【品格ある「公務」の復活】
プログラム二三 「公務分限法」を制定する→実のところ〔.....〕
プログラム二四 行政監視を徹底し、会計検査院を強化する→実のところ〔..〕
プログラム二五 天下り禁止法を急いで定める→実のところ〔.....〕
石井絋基著「日本が自滅する日」PHP研究所刊より抜粋
参照: http://www014.upp.so-net.ne.jp/ISHIIKOKI/
PS:その前日(一昨日)隣接するM町の小さな信用金庫に短銃を持った2人組の強盗が押し入るという事件が発生した.詳細は詳らかではないが,女子行員をかばうため犯人と女子行員の間に割って入った男子行員が,勇敢にも犯人と格闘して犯人の手からピストルをもぎ取ったため,2人組は何も取らずに現場から逃走した.この勇気ある男子行員は凶漢が発射した銃弾によって重傷を負い,病院に収容された模様である.(負傷者は複数と聞く.)単純な事犯であり,遺留品から指紋が検出されれば,地元のチンピラと推定される(おそらく前科のある)犯人を割り出すことは難しくないと考えられるのだが,再び,警察の「捜査能力」と「順法意識」が問われている.犯人はまだ逮捕されていない.
以下は私のやや不謹慎な妄想である:この男子行員は中年を過ぎても窓口に立っているような出世街道から外れた,行内でもあまりパッとしない存在だったかもしれない.一方庇われた女子行員は応対はハキハキとして気持ちよく,銀行の花のような存在だったとしてみよう.この2人の席は隣合っていたが,仕事を離れて個人的に話をしたことはまったくない.私はこの行員が中年であると勝手に決めているのだが,その中年男の報われない恋・ほのかな憧れという図式が私の頭の中にある.この想像はそれほど現実離れしたシチュエーションではないと思うのだが,(そのような仮設の上で)私にはこの中年行員の無謀とも言うべき行動がもっともストレートに理解できるような気がするのだ.
しかしそのような仮設を離れて,一般的に次のように問うこともできるだろう.「このようなとっさのとき,あなたはそれが誰であれ誰かのために自分の命を投げ出すことができるだろうか?」と.とっさの事態であるから,もしも今あなたが,確信を持ってあるいはためらいながら「できる」と答えることができたとしても,それはそのときのあなたの行動を保証するものではない.ここに至って私は我が町の隣町をうらやみ,おそらくはその地域の経済活動に意義ある貢献を果たしてきた小金融機関の無名男子行員の前に黙して脱帽するのみである.
初出: http://www.asyura2.com/0505/idletalk14/msg/212.html
投稿者 馬場英治 日時 2005 年 7 月 29 日 19:51:34: dcAX/x0KhXeNE
(回答先: 611F駅通り殺傷事件:その後 投稿者 馬場英治 日時 2005 年 7 月 26 日)
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by exod-US
| 2005-07-29 19:51
| 政治テロルと全体主義
















