2006年 04月 25日
レジスタンスの勝利:バグダッド市アザミヤ地区住民は治安部隊とシーア派民兵を駆逐して,平和を取り戻した
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画像ソース:http://www.cbsnews.com/elements/2005/08/23/iraq/photoessay792172_0_19_photo.shtml
バグダッドの市街地全域で米軍とレジスタンスの激しい戦闘が依然として続いている.4月19日にはバグダッド市街中心部のジャミ地区とアドル地区の交差点付近でイラク・レジスタンスと米海兵隊の長時間に渡る戦闘が繰り広げられた.米軍部隊のなかでレジスタンスの仕掛けた自動車爆弾が爆発したと伝えられる.
特筆されなくてはならないのは,アザミヤ地区における住民の勝利である.アザミヤ地区では18日から米軍のジェット戦闘機・軍用ヘリコプターに援護されたイラク内務省治安部隊,親米シーア派民兵が地区中心部への突入を試み早朝から激しい攻撃を開始したが,イラク・レジスタンスと共に武器を手にしたアザミヤ地区住民は2日間におよぶ戦闘を戦い,ついに彼らの街を守り抜いて傀儡政府軍を完全撤退させることに成功した.この戦闘には隣接するバブ・アル・ムアザム地区を始めとして,ファルージャ,サマッラ,タリミヤなど各地から多数の志願者が駆けつけて加わったと言う.この勝利が単なる軍事的勝敗に留まらず,アザミヤ地区住民と傀儡政府軍との交渉によって勝ち取られ文書化されたものである点に私は注目している.
アザミヤ住民と傀儡軍が結んだ協定中の項目で興味深いのは,「この(停戦)合意は米占領軍には及ばない」としている点である.「米占領軍は常に誰かの標的になっているため」というのがその理由として挙げられている.イランの核開発疑惑をめぐり米国とイランは現在極めて緊張した関係にあるがその一方で,親米シーア派民兵の持っている武器がイラン製であるという確認された事実も見落とされるべきでないだろう.
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□イラク・レジスタンス・レポート 4月19日 水曜日
■Iraqi Resistance Report for events of Wednesday, 19 April 2006
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http://www.albasrah.net/en_articles_2006/0406/iraqiresistancereport_190406.htm
◆バグダッド Baghdad
◆市内中心部でレジスタンスと米海兵隊が戦闘
Fighting between Iraqi Resistance and US Marines breaks out
in central Baghdad as evening falls Wednesday
イスラム・メモは19日午後7時20分の速報で、先ほど、今も続いてい
る戦闘はバグダッド中心部においてイラク・レジスタンスと米海兵隊とのあ
いだで勃発したと報じた。
イスラム・メモ通信員は、戦闘はスンニ派の多いジャミ地区とアドル地区
の交差点で発生しており、バグダッド中心部の幹線道路が寸断されることに
なったとレポートした。
戦闘が続いているとき、イラク・レジスタンスの自動車爆弾が米軍部隊の
なかで爆発した。自宅の屋根から爆発現場を目撃した地元住民は、爆発で完
全に破壊された米軍ハンビーの残骸を見たと話した。
◆住民の勝利でアザミヤの解決条件を政府が受入れ
In victory for residents of al-A‘zamiyah:
“ministries” accept al-A‘zamiyah’s terms for resolution
イスラム・メモは19日午後1時50分の速報において、バグダッド市ア
ザミや地区およびイスラム法学者協会の代表と傀儡(かいらい)の内務省お
よび国防省のあいだで18日夜に交渉がおこなわれたと報じた。
イスラム・メモのバグダッド通信員は、内務省治安部隊を同伴し米地上軍
と空からの支援を受けた親米シーア派民兵によって2日間にわたるアザミヤ
攻撃がおこなわれたあと、相互に訴えを主張しあう雰囲気のなかで交渉が開
かれたと報じた。
傀儡政権の代表はアザミヤ攻撃の理由は政府軍部隊が攻撃されためだと主
張し、親米シーア派民兵によるアザミヤ地区への攻撃を無視している。
アザミヤ地区とイスラム法学者協会の代表は、シーア派民兵による無差別
の武力攻撃が実際におこなわれたことを証明する文書を持参した。彼らはま
た戦闘中に捕虜にしたシーア派民兵を連れてきて、親米的民兵が攻撃に使用
したイラン製その他の武器をも提示した。それらの兵器はイラク傀儡軍や傀
儡警察が携帯しているものとは違っていた。イスラム・メモによると、アザ
ミヤ地区代表に示した証拠に反論することができず、2日間のアザミヤ攻撃
が失敗したこともあって、傀儡政府の代表はアザミヤ住民が設定した条件に
合意した。
イスラム・メモ通信員によると、両サイドが合意した条件は次のようなも
のだ。
--内務省とシーア派民兵の全部隊の撤退は、18日午後8時に開始し、
アザミヤと周辺地域から指揮に従って、8時間以内におこなう。地元住民は
アザミヤ地区内で目撃される内務省部隊を攻撃する権利を留保する。
--アザミヤ攻撃に参加した親米シーア派民兵全員の身柄は、公式に、裁
判の法廷にゆだねる。
--米占領軍は常に誰かの標的になっているため、この合意はアザミヤ地
区に入ってくる米軍には及ばない。
--親米シーア派の襲撃者たちは侵略者であることから、アザミヤ住民は
彼らの消息に関して尋問されるべきではない。
傀儡政府の側は、アザミヤ地区へのイラク傀儡軍の派遣をイラク軍に限っ
て認めるよう主張した。
アザミヤ地区の代表は住民に告知される特別の場所に限って傀儡軍兵士が
駐屯することに同意した。
これは、傀儡政権軍がその仲間のいる暗殺チームやシーア派民兵によって
なされるいかなる攻撃に対しても「国民軍」としてアザミヤ住民を守ると誓
約する、という条件と引き換えである。仮に彼らがそのような攻撃に反対し
ないのなら、地元住民はシーア至上主義の偏向した武装民兵に対するのと同
じように傀儡軍にも対処するであろう。
しかし、もし傀儡軍が彼らの誓約を守るなら、傀儡軍兵士がこの合意条件
に違反しないかぎり、地元住民の側は彼らを攻撃しないことを誓約する。
イスラム・メモ通信員は、傀儡政府省庁(内務省と国防省)の代表は政権
内の上司と連絡をとった後にこれらの条件に合意したと伝えた。合意協定は
その後に公式に署名された。
地元住民は交渉がまとまったことで勝利だと受けとめ、親米シーア派民兵
に教訓を示したと考えてホッとしている、と、通信員がレポートした。
◆アザミヤの生活は緩やかに回復するが、緊迫感は続く
Life slowly revives, but tension remains high in al-A‘zamiyah
イスラム・メモは18日午後2時10分の速報において、2日間激しい戦
闘が続いたあと、アザミヤ地区には普段の生活がひじょうにゆっくりと戻り
つつあるとレポートした。米軍ヘリはアザミヤ地区の上空を警戒飛行してお
り、住民代表とイスラム法学者協会が傀儡政権の代表と停戦交渉をおこなっ
たにもかかわらず、緊迫感と不信感がぬぐえないでいる。
イスラム・メモの通信員はアザミヤ地区から、商店主はオマル・イブン・
アブダル・アジズ通り、ヌマン通り、クルニシュ通りの店舗に警戒しながら
戻ってきているとレポートした。だが行き交う車はどの道路にもわずかしか
見当たらない。
アザミヤ地区の狭い脇道はそれよりも活気があった。そこでは野菜と果物
の売り子が商売を始めている姿をみることができた。
あるガソリン・スタンドは営業を再開し、少なからぬ車が燃料タンクを満
タンにしようと列をつくっていた。
しかしアザミヤ地区の大通りは住民が設置したバリケードをそのまま残し
ており、電力供給も水道も傀儡政権によって切断されたままだった。地元住
民は各地のモスクで大きな貯水タンクを使えるようにしていた。
治安の面では、チグリス川に架かっている大きな橋--スンニ派の多いア
ザミヤ地区とシーア派の多いカジミヤ地区を結ぶ--は完全に閉鎖されたま
まである。傀儡イラク軍が詰める有人の検問所は、カジミヤ側の橋詰から遠
く離れたところに設置された。アザミヤ側では地元出身の狙撃手が隠れた陣
地から戦略的な橋の出入り口を見張っている。
イスラム・メモ通信員は、戦闘の最中にスンニ派の多い地元住民の一部が
シーア派のパン屋を殺したというウワサを広めることによって、スパイが住
民をかく乱しようとしたとレポートした。しかし地元の宗教指導者が(殺さ
れたと言われた)パン屋を見つけ出して彼は無傷で生きていることを人々に
示し、事態を沈静化させた。それによってこのウワサと暴力の可能性は終わ
りになった。
だが米軍戦闘機F16の編隊とアパッチ・ヘリが19日の早朝から上空を
飛び交い、緊張感を高めていた。
地区内のモスクには4つの大きな掲示板が建てられ、アザミヤ地区を守る
ために最初の日の戦闘で殉教した地元住民の名前を書き出した。
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□イラク・レジスタンス・レポート 4月18日 火曜日
■Iraqi Resistance Report for events of Tuesday, 18 April 2006
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http://www.albasrah.net/en_articles_2006/0406/iraqiresistancereport_180406.htm
◆バグダッド Baghdad
◆米軍がアザミヤ地区への攻勢に着手
US launches offensive on defiant al-A‘zamiyah district
イスラム・メモは18日午前11時25分の速報において、北バグダッドの
アザミヤ地区では、その時刻も、イラク・レジスタンス戦士と米軍および傀儡
イラク軍との間に激しい戦闘が発生していると伝えた。
イスラム・メモ通信員はアザミヤ住民の目撃証言として、米・イラク合同軍
が住民の大量拘束を遂行するために同地区を襲撃しようとして、戦闘が18日
朝に勃発したとレポートした。銃器とパイプ・ロケットで武装したイラク・レ
ジスタンス戦士は、地元住民のなかにまじって、アメリカ軍の指揮する襲撃に
抵抗した。
スンニ派住民が多数を占めるアザミヤ地区は、そこに突入しようとしたシー
ア派民兵と傀儡(かいらい)治安部隊の試みに地元住民が抵抗し、前日17日
の夜明け前から夕方まで激しい戦闘が荒れ狂う現場となった。このシーア至上
主義の民兵と治安部隊は、拘束された多くのスンニ派住民を誘拐して野蛮な拷
問で殺害したことで悪名を馳せた。17日夜に同地区を包んでいた嵐の前の静
けさは、米軍がシーア派民兵を攻撃の先兵に仕立てた18日朝に破られた。
◆狙撃の名手が傀儡治安部隊の大佐を射殺
Sharpshooter kills puppet “Shock Troop” colonel in al-A‘zamiyah
イスラム・メモは18日午後1時30分の速報で、イラク内務省の治安部隊
マガウィルの高級将校が先ほど、アザミヤ地区ラギバト・ハーツンにおいて、
狙撃手の銃弾に倒されたと報じた。
イスラム・メモの通信員は市内の情報提供者の話として、狙撃手は治安部隊
が駐屯した場所近くにある建物の屋根に陣取っていたので、治安部隊の大佐を
射殺することができたと伝えた。この大佐は親米シーア派の民兵バドル旅団に
おける指揮官をも兼任していた。
◆親米シーア派民兵がアザミヤ突入を図る
Pro-American sectarian militias launch drive on al-A‘zamiyah
イスラム・メモは午後1時35分の速報において、そのレポート時点で、一
部は傀儡警察の制服を着ている親米シーア派民兵が、米軍から暗黙の支持を受
けてアザミヤ地区の心臓部への突入を試みていると伝えた。
イスラム・メモの通信員によると、米軍兵力がアザミヤ地区を守っている者
たちを銃撃しているあいだに、民兵を乗せた10台以上の車両がアザミヤ地区
の中心部へ向かっている。
イスラム法学者協会のメンバーは、米軍がシーア派民兵の進攻を支援してい
ることを確認した。
◆アザミヤ防衛を援助しようとイラク各地から志願者が到着
Volunteers from elsewhere in Iraq arrive to try to help in defending al-A‘zamiyah
ファルージャ、サマッラ、タリミヤから数十人のスンニ派住民が18日朝に
小グループごとにアザミヤ地区に到着した。彼らは地元住民に加わって想定さ
れる民兵たちからの襲撃を撃退するために集まってきた。シーア派民兵の攻撃
は17日未明に始まって、米軍の支援のもとに現在まで続いている。
アザミヤ地区にやってきた者の多くは戦うために来たのだが、アメリカ兵に
よって同地区が厳重に包囲されているため、武器を持っていなかった。志願者
たちは南側に隣接するバブ・アル・ムアザム地区からも歩いてやってきた。陣
地に配置されている地元住民がその志願者たちに武器を提供したかどうかは、
すぐには判らなかった。
◆住民がシーア派民兵のアブ・ハニファ・モスク砲撃を阻止
Residents thwart attempt by Shi‘i sectarians to shell Mosque of Abu Hanifah
イスラム・メモは午後3時10分の速報において、歴史遺産でもあるアブ・
ハニファ・モスクを砲撃しようとしていたシーア派民兵4人をアザミヤ住民が
捕らえた、と報じた。
イスラム・メモの通信員はアザミヤ地区から、現地住民でもアルレジスタン
ス戦士が4人を捕らえ、歴史遺産でもあり宗教的遺産でもあるモスクへの攻撃
を未遂(みすい)に終わらせた。捕虜たちは地区内の1つのモスクに全員拘束
された。
767年にバグダッドで死亡した最高位のスンニ派イマームであるアブ・ハ
ニファのモスクを砲撃しようとした企みは、現地では最大の犯罪と見なされて
いる。
◆住民とレジスタンス戦士が新たな襲撃と戦う
Residents, Resistance fighters battle new assault by pro-American sectarians
イスラム・メモは午後3時45分の速報において、多数の親米シーア派民兵
の新手がアザミヤ地区を襲撃した。
イスラム・メモの通信員によると、レポートしている時点で、アザミヤ地区
内の特にアンタル・ビン・シャッダル広場とダッラル広場の間で激しい戦闘が
発生している。
通信員は全面的な市街戦が現地で発生しているとレポートし、さらに民家と
モスクの屋根や路上に配置された地元住民とレジスタンス戦士がシーア派民兵
の襲撃を阻止しようとしていると伝えた。現場にいる通信員は、戦況は守り手
の優勢に傾いているようだと述べた。残骸となった車両と死体、バドル旅団メ
ンバーの死体の一部がアンタル広場沿いに散乱していた。
◆住民とレジスタンスの反撃に遭いシーア派民兵が逃亡
Sectarian gunmen flee as residents, Resistance fighters counter attack
アザミヤ住民とレジスタンスがシーア派民兵の襲撃を撃退したさい、少なく
とも14人のシーア至上主義の民兵が死亡し、多数が負傷した--イスラム・
メモが18日午後5時40分の速報で伝えた。生き残った親米武装勢力は攻撃
を中断し、住民とレジスタンスの反転攻勢の前に逃げ出した。
アル・ハフィズ・アル・アザミ師はアザミヤ中心部の戦闘現場となった墓地
近くでイスラム・メモ通信員の取材に応じた。アル・アザミ師は、「襲撃して
きたシーア派は長くは続かなかった武力衝突のあと戦闘から逃げ出した。(ア
メリカ)占領軍さえいなかったら、アザミヤ住民は彼らを掃討したのに」。
しかしアザミヤ地区を守る者たちは親米勢力による新手の攻撃を想定して警
戒している。
宗教指導者と部族長たちは18日午後遅くにアブ・ハイファ・モスクで進展
具合を協議する会合を開くとみられる。
◆不意討ちに備えて住民はレジスタンスの指揮下に入る
Residents place themselves under Resistance command,
make ready for organized response to any surprise attacks
親米シーア派民兵と内務省治安部隊(マガウィル)がアザミヤ地区一帯から
退却したあと、アザミヤ地区は静けさに包まれたようにみえる--イスラム・
メモが午後7時30分の速報で伝えた。
米軍と傀儡イラク軍の精鋭部隊がアザミヤ地区の出入り口に配置され、この
2日間の戦闘で彼らが後押ししていたシーア派民兵から引き継いだ。アザミヤ
地区内では、兵器はまだ明らかに路上やモスクと民家周辺を警備する地元住民
の手に握られている。
イスラム・メモ通信員はアザミヤの状況を次のように描写した--18日の
朝早くから、地元住民は突然の襲撃にも対応できるように、あるいは夜討ちや
新たな戦闘でも甚大な損害を受けないですむように、戦闘体験豊富なレジスタ
ンス組織の指揮下に身をゆだねた。
地区内の幾つものモスクが、アメリカ軍やシーア派民兵によって迫撃砲とロ
ケット攻撃の標的にされないよう、礼拝場前に集まることがないように呼びか
けた。
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by exod-US
| 2006-04-25 23:10
| イラク戦争と謀略テロ